壮絶なる闘病生活

 先日亡くなったTの実家に行き、御参りしてきました。

 私と友人3人の4人で待ち合わせをして伺いました。Tの家に行くと玄関にまるっこい柴犬がいて、お出迎えしてくれました。おとなしい犬で手を出すと「フン、フン。」とにおいを嗅いでいました。おまえはご主人様に似てるね。

 お参りをして、Tのお父さんから、死に至るまでのいきさつを聞きました。最初は便秘気味でやっぱりおかしいから近くの総合病院にいってみてもらったところ、癌でそのときにはすでにⅣ期でしかも肝臓に転移した状態でした。しかも卵巣にがん細胞が張り付いて手術も出来ないような状態にまでなっていたのです。がん細胞で膨れ上がった子宮はバレーボール大になっていたようです。そこから医科大に入院し、壮絶なる戦いを癌と行ったのです。
 抗がん剤による科学治療しかなく、そのため髪の毛は抜け落ち、巨大化したがん細胞により腸や尿管がつまり食べたものが出せない状態になるため何ヶ月も絶食したり、「激痛」と本人は言っていたらしいが、陣痛の痛みが延々と続くようなものだともいっていたらしい。モルヒネも投与していたため、幻覚も見るようになったりしていたし、がん細胞が邪魔するため、どこにもいけなくなった糞便がたまり、そのため腸が痩せ細り薄くなった腹の皮をやぶって爆発することが何度もあり、Tのお腹にはその傷跡が何個かあったらしい。幾度とある爆発のため大量の出血をするため体は管だらけになっていたらしい。

 最期は眉間に皺をよせてがん細胞と戦っていたが、亡くなったときは痛みから解放されて穏やかな顔になっていたらしい。昔から負けず嫌いで、我慢強かったTだからこそ今までがんばってこれたのかもしれない。精神科の病院に勤めていたT。精神系の試験を受けることを目標にがんばっていたT。あなたの意思は私が受け継ごうと思います。医療に関わる人として。