変わるもの、変わらないもの

 電話などの支払いをするため外出。そのついでにちょっと遠出をしてドライブする。あてもなく車を走らせて隣町へ。ここ数年あまり行っていないと結構変わっていたりする。新しく道路が出来たり、そこにあった建物がなくなり更地になっていたり、浦島太郎状態はまだ続く。いちおうその町にある自動車学校に通ったし、営業でそのあともまわったりしたので結構道は知っているほうだが、開発が進んで景観が変わっているので思わず違う道に入ってしまい思った方向に進むのに遠回りしたりしていた。
 車を走らせながら景色を眺めると「こんな所にコンビ二できとる。」という新しい発見があったりするのだが、「ここは変わっていないな。」という所を見つけるとほっとしたりする。
 で、結局遠回りしただけで何もせず家に帰る事にした。家の近くの駅のバスターミナルの前の道路も変わってしまっている。その駅前には、おじいさんとおばあさんが夫婦で細々と営んでいる大判焼の店があった。私が小さい頃はたまにその店から大判焼を買って来て食べたものだ。小さい頃で結構お年を召された夫婦だったし、以前通ったときは閉まっていたので、今もやっているんだろうか?と思いながらその店の前を通ると何とやっているではないか。うれしくなって大判焼を買って帰った。しかも小さい頃から見ていたあのおばあさんが今も店に出ていて、紙袋に大判焼を入れて渡してくれた。
 あのおばあさんは、変わりゆく町の中でひたすら変わらない味で大判焼を作り続けていく。